2021-03-31

こんにちは、ソラトピアの殿塚です。

前回のコラムを各方面から「良かったよ!」と言ってもらえました。

【コラム】パラグライダー死亡事故 第1位

 

事故やケガはネガティブな話題ではありますが、

インストラクターとして正しく向き合っていこうと思います。

 

と言うわけで、今回は「パラグライダーの事故率」のお話です。

 

— もくじ —

■パラグライダーは落ちるもの?!

■パラグライダー事故 多発時代

■近年のパラグライダー事故

■事故データから見る「パラグライダーの事故率」

■バイク(自動二輪車)と比べて

■アウトドアスポーツにリスクはつきもの

 


■パラグライダーは落ちるもの?!

「パラグライダーには興味がある、けど空を飛ぶのは危なそう。」

そう考える方は多いのではないでしょうか。

 

そういえば、今から 17 年前の 2004 年頃

体験に来た女子大生に、開口一番こう言われたことがあります。

 

『 死なないですよね? 』

 

真顔で です 笑

 

聞いたところによると、

『パラグライダーをやってみたいって親に言ったら、

「パラグライダーなんてやったら落ちて死んじゃうんだから!!絶対ダメだからね!!」

・・って言われました。今日は親に内緒で来たんです。』

とのことでした。

そこまで言われてよく体験に来てくれましたよね  笑

 

その時は、

「野外を走るので捻挫くらいはするかもしれませんが、大ケガすることはまずないので大丈夫ですよ!そんなに簡単に落ちて死んだりしませんよ!笑」

と、お答えしました。

 

でも親御さんが「パラグライダーは落ちるもの」というイメージを持っていたのも分かるんです。

なぜなら親御さんが(たぶん)アラサーだったころ、パラグライダーは頻繁に落ちていたからです。

 


■パラグライダー事故 多発時代

パラグライダーが本格的に始まったのは、1985年と言われています。

実はパラグライダーは、まだたった36年しか歴史のないスカイスポーツなのです。(2021年現在)

 

ヨーロッパで人気となったパラグライダーは、1980年代後半に日本に上陸します。

当時の日本は、いわゆるバブルの真っ只中。

タクシーを札束で止めていたと言われる時代です。

 

「たったの30万円で空が飛べる!」 ※当時の価格

 

という触れ込みで、パラグライダーは日本でちょっとしたブームになりました。

 

NHKでテレビ講座が放送されたり

日本生命のCMでは、なんとあの吉永小百合さんがパラグライダーで飛んでいました!

18:47から

1989年に放送されていました。

 

このパラグライダーが流行った時代は、1980年代後半から1990年代前半にかけて。

1985年にパラグライダーが始まってから、まだほんの数年です。

 

グライダー設計も 気象の知識も 安全対策も まだまだ発展途上。

この時期のパラグライダーは、そりゃもうよく落ちたと聞いています。

 

「パラグライダーは落ちるもの」

そう思われてもしかたがない時代があったのです。

 


■近年のパラグライダー事故

そんな時代から30年。

今のパラグライダーは昔と比べて、性能も安全性も比べ物にならないほど高くなりました。

 

グライダーの安全性は高いし、機材は軽くなったし、操縦は簡単になったし

ここ数年でパラグライダーを始めた方は幸せだなーと思っています。

先人たちの挑戦のおかげですね。ありがたいことです。

 

それでも事故は無くなったわけではありません。

では、近年ではどのくらい事故が起こっているのでしょうか?

そして、どういった事故が多いのでしょうか?

現在の事故の状況を見てみましょう。

 

JHFの事故報告より

日本ハング・パラグライディング連盟(JHF)では、事故の報告をまとめてWebサイト上で公開しています。

どなたでも閲覧することが出来ます。
https://jhf.hangpara.or.jp/jhsc/accident.html

事故報告は、情報の蓄積・共有をして同様の事故を減らすことが目的です。

結果的にケガをしなかった『ヒヤリ・ハット』といわれる注意喚起事例も報告されています。


■事故データから見る「パラグライダーの事故率」

過去3年間(2018~2020年)の事故データを分析します。

 

死亡事故は3年間で11件。

1年あたり 3.7件 です。

 

重傷事故(骨折など)は3年間で41件。

1年あたり 13.7件 です。

 

パラグライダーの事故率を、連盟のパラグライダー登録者数(約6,000人)から計算すると

 

死亡事故は 0.059%

重傷事故は    0.27%

 

という人口比率になります。

この数字を他の乗り物と比較するとどうでしょうか?

 


■バイク(自動二輪車)と比べて

他の乗り物の「アクティブ人口と事故件数」について

なかなか正確なデータが見つかりませんでしたが、

比較的正確なデータとして、バイク(126cc以上)がありました。

(参考)チューリッヒ保険会社 バイク・原付の事故率と事故の原因
https://www.zurich.co.jp/car/useful/bike/cc-bike-accident-ratesn/

 

平成29年のデータによると、年間の死者数は448人・重傷者数は5,004人。

バイクの事故率を保有台数(約360万台)から単純計算すると、

 

死亡事故は 0.012%

重傷事故は    0.14%

 

という台数比率となります。

 

バイク パラグライダー 倍率
死亡 0.012 % 0.059 % 5 倍
重傷 0.14 % 0.27 % 2 倍

 

この数字を高いと思うか、低いと思うかはあなた次第。

バイクの所有台数や、年間走行距離は人それぞれ。

パラグライダー愛好者の年間飛行回数や、飛行時間も人それぞれ。

単純に比較することは出来ません。

あくまで参考の数字とお考えください。

 

母数が  6千人 対  360万台 と600倍で、使用環境も大きく違いますからね。笑

 


■アウトドアスポーツにリスクはつきもの

どんなアウトドアでも多かれ少なかれリスクはあります。

空を飛ぶなら なおさらのこと。

大事なことは過去の事例から学び、対策を練って事故を減らしいくことですね!


不時着しちゃいそうな時もたまにはあります!人間だもの!

 

次回のコラムでは、「パラグライダーはどのような事故が多いのか?」

事故の事例を具体的に分析していきます。

 

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