皆さん、こんにちは!
キドちゃんこと城所です。
またもや今更感がプンプンですが、ようやくイプシロン7で試乗ソアリング出来ましたので、
またもや勝手にインプレッションさせていただきます。
- 試乗日:2013年8月9日(金) 10時半頃~1時間程
- 試乗エリア:長野県白馬五竜
- 気象条件:晴れ山沿い積雲少々 東ブロー(弱~普)
- 試乗機:イプシロン7-26(70~95kg)
- 装備重量:84kg
ハイ、先日の白馬出張の際に飛ぶ事が出来ました。
前回の試乗で基本性能は概ね感じ取れたような気がしていましたが、
パラはサーマル(乱気流)で揉まれてナンボの乗り物でもあるので、
リベンジの時をフツフツと待っていましたよ。
ホームエリアではないので、少し勝手が違うかもしれませんが、
感じた事をそのまま言っちゃいますよ~
良いのかな~?怒られないかなぁ?
いざ、鎌倉!
『キャノピーの剛性&ピッチ安定性について』
前回、翼の剛性が物凄く高いのは感じていましたが、
いざサーマルに揺られてみると、翼端側はそれなりにクシャッとする時もありました。
でもやはり翼中央(約60~70%位)はかなりの剛性とピッチ安定性ですね。
多少の乱気流は平均化して受け止めている様に感じます。
今までは翼(特に下面)がクシャッとすることがありましたが、
そういう場面でも翼が歪まないようです。
翼からのフィードバックで特に感じるのは
フロント(A&B)側からはサーマルの突き上げを感じ、
リア(C)側からは今まで以上のどっしりとした安定感を感じました。
この辺はCライザーにCDラインがカスケードされているのが関係しているのかもしれませんが、
よく見るとカスケードは翼中央付近だけなので、
どちらかというと以前より荷重分配が後ろよりなのかな?と思われました。
恐らくそれも旋回性の切れの良さに関係しているな気もしますが、
リーディングの剛性アップや翼厚設計や3ライザーシステムの恩恵と言えるのかもしれませんね。
『旋回性&ロール安定性について』
山岳エリアの白馬の湧き上がる様なサーマルのせいかもしれませんが、
いつもの足尾に比べると正直ロールコントロールにやや神経を使いました。
前回で旋回性が良いのは感じていましたが、
いつもの調子で体重移動をしながらそれでもゆっくりめのブレーク操作をしても
時折食い込むようにバンクが掛かり過ぎる事がありました。
もちろんその動きも使いようで大きな武器になるのですが、
普段のセンタリングでは今までよりもやや体重移動を控えめにして
フラット気味の旋回をした方が効率が良いようです。
とはいえ、外翼は極力抑えずに常に外翼を滑らせる感じです。
まるで今までよりも最少沈下がフルグライドにより近いような感じです。
多分、穏やかなサーマルやアーベントで抑え気味に飛んでもそれなりに調子よく浮いてくれると思いますが、
恐らくこの機体は如何に気持ちよく滑らせて飛ばすかをコンセプトに開発されたのではないかと思います。
『スピードについて』
いつもより高地(標高1500m前後)のせいか、フルグライドでの速さを感じました。
そしてそれはアクセル使用でよりはっきりと感じました。
今までのイプシロンのアクセルでは正直あまり武器とは感じていなかったのですが、
イプシロン7でのアクセルは大会でも使えそうな力強い武器です。
ハーフで十分な加速感と速度があり、しかも翼の安定性はむしろ増しており、
そのグライド性能もイプシロンとは思えない伸びの良さでした。
正確な所はしっかり並べて飛ばないとダメですが、
概ねの感じは間違っていないはずです。
つまりはイプシロン7は乗りやすい安定性と
少しコントロール技術が必要ですが、キレのある旋回性を併せ持ち、
クラス(EN-B)トップレベルの性能の翼と言えそうです。
正直、始めは見た目アスペクトが抑えられ、ややボテボテっとした翼表面なので
あまり飛ばないのではないかと思っていましたが、
むしろ飛び過ぎて驚くレベルですね。
それでは誰のためのイプシロン7かと言えば、
初級者のステップアップとしては
その乗りやすさ故、可能だとは思いますが、性能差が大きい事は理解しておいた方が良さそうです。
パイロットが乗っても十分楽しいと感じるコントロール性と性能を考えれば、
むしろ中級者の乗り換えがベストなのかもしれません。
そして軽い機重と軽快なフットワークもあるので、上級者のプレジャーグライダーとしてもピッタリです。
実は個人的には最近のアドバンスでのベストパフォーマンスはシグマだと思っていました。
しかし今回イプシロン7という思わぬ伏兵が現れました。
見た目にそぐわぬその実力は最近のトップメーカーの最新鋭機にも負けず劣らずで、
むしろフライトを安心して楽しむという意味では勝っていると思います。
個人的にも是非、多くのパイロットの皆さんに
先入観を持たずに積極的に試乗して頂きたい一機であります。
きっと目から鱗の楽しさを感じれるはずです。
写真は足尾でイプシロン7の試乗を楽しまれたお客様
ソラトピアつくば インストラクター城所より