こんにちは、ソラトピアの殿塚です。
前回のコラムを各方面から「良かったよ!」と言ってもらえました。
事故やケガはネガティブな話題ではありますが、
インストラクターとして正しく向き合っていこうと思います。
と言うわけで、今回は「パラグライダーの事故率」のお話です。
— もくじ —
■パラグライダーは落ちるもの?!
■パラグライダー事故 多発時代
■近年のパラグライダー事故
■事故データから見る「パラグライダーの事故率」
■バイク(自動二輪車)と比べて
■アウトドアスポーツにリスクはつきもの
■パラグライダーは落ちるもの?!
「パラグライダーには興味がある、けど空を飛ぶのは危なそう。」
そう考える方は多いのではないでしょうか。
そういえば、今から 17 年前の 2004 年頃
体験に来た女子大生に、開口一番こう言われたことがあります。
『 死なないですよね? 』
真顔で です 笑
聞いたところによると、
『パラグライダーをやってみたいって親に言ったら、
「パラグライダーなんてやったら落ちて死んじゃうんだから!!絶対ダメだからね!!」
・・って言われました。今日は親に内緒で来たんです。』
とのことでした。
そこまで言われてよく体験に来てくれましたよね 笑
その時は、
「野外を走るので捻挫くらいはするかもしれませんが、大ケガすることはまずないので大丈夫ですよ!そんなに簡単に落ちて死んだりしませんよ!笑」
と、お答えしました。
でも親御さんが「パラグライダーは落ちるもの」というイメージを持っていたのも分かるんです。
なぜなら親御さんが(たぶん)アラサーだったころ、パラグライダーは頻繁に落ちていたからです。
■パラグライダー事故 多発時代
パラグライダーが本格的に始まったのは、1985年と言われています。
実はパラグライダーは、まだたった36年しか歴史のないスカイスポーツなのです。(2021年現在)
ヨーロッパで人気となったパラグライダーは、1980年代後半に日本に上陸します。
当時の日本は、いわゆるバブルの真っ只中。
タクシーを札束で止めていたと言われる時代です。
「たったの30万円で空が飛べる!」 ※当時の価格
という触れ込みで、パラグライダーは日本でちょっとしたブームになりました。
NHKでテレビ講座が放送されたり
日本生命のCMでは、なんとあの吉永小百合さんがパラグライダーで飛んでいました!
18:47から
1989年に放送されていました。
このパラグライダーが流行った時代は、1980年代後半から1990年代前半にかけて。
1985年にパラグライダーが始まってから、まだほんの数年です。
グライダー設計も 気象の知識も 安全対策も まだまだ発展途上。
この時期のパラグライダーは、そりゃもうよく落ちたと聞いています。
「パラグライダーは落ちるもの」
そう思われてもしかたがない時代があったのです。
■近年のパラグライダー事故
そんな時代から30年。
今のパラグライダーは昔と比べて、性能も安全性も比べ物にならないほど高くなりました。
グライダーの安全性は高いし、機材は軽くなったし、操縦は簡単になったし
ここ数年でパラグライダーを始めた方は幸せだなーと思っています。
先人たちの挑戦のおかげですね。ありがたいことです。
それでも事故は無くなったわけではありません。
では、近年ではどのくらい事故が起こっているのでしょうか?
そして、どういった事故が多いのでしょうか?
現在の事故の状況を見てみましょう。
JHFの事故報告より
日本ハング・パラグライディング連盟(JHF)では、事故の報告をまとめてWebサイト上で公開しています。
どなたでも閲覧することが出来ます。
https://jhf.hangpara.or.jp/jhsc/accident.html
事故報告は、情報の蓄積・共有をして同様の事故を減らすことが目的です。
結果的にケガをしなかった『ヒヤリ・ハット』といわれる注意喚起事例も報告されています。
■事故データから見る「パラグライダーの事故率」
過去3年間(2018~2020年)の事故データを分析します。
死亡事故は3年間で11件。
1年あたり 3.7件 です。
重傷事故(骨折など)は3年間で41件。
1年あたり 13.7件 です。
パラグライダーの事故率を、連盟のパラグライダー登録者数(約6,000人)から計算すると
死亡事故は 0.059%
重傷事故は 0.27%
という人口比率になります。
この数字を他の乗り物と比較するとどうでしょうか?
■バイク(自動二輪車)と比べて
他の乗り物の「アクティブ人口と事故件数」について
なかなか正確なデータが見つかりませんでしたが、
比較的正確なデータとして、バイク(126cc以上)がありました。
(参考)チューリッヒ保険会社 バイク・原付の事故率と事故の原因
https://www.zurich.co.jp/car/useful/bike/cc-bike-accident-ratesn/
平成29年のデータによると、年間の死者数は448人・重傷者数は5,004人。
バイクの事故率を保有台数(約360万台)から単純計算すると、
死亡事故は 0.012%
重傷事故は 0.14%
という台数比率となります。
バイク | パラグライダー | 倍率 | |
死亡 | 0.012 % | 0.059 % | 5 倍 |
重傷 | 0.14 % | 0.27 % | 2 倍 |
この数字を高いと思うか、低いと思うかはあなた次第。
バイクの所有台数や、年間走行距離は人それぞれ。
パラグライダー愛好者の年間飛行回数や、飛行時間も人それぞれ。
単純に比較することは出来ません。
あくまで参考の数字とお考えください。
母数が 6千人 対 360万台 と600倍で、使用環境も大きく違いますからね。笑
■アウトドアスポーツにリスクはつきもの
どんなアウトドアでも多かれ少なかれリスクはあります。
空を飛ぶなら なおさらのこと。
大事なことは過去の事例から学び、対策を練って事故を減らしいくことですね!
不時着しちゃいそうな時もたまにはあります!人間だもの!
次回のコラムでは、「パラグライダーはどのような事故が多いのか?」
事故の事例を具体的に分析していきます。
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